産後、「骨盤が開いている」は間違い?

「私の骨盤開いていますか?」
「骨盤が開いたからパンツが入らなくて…」

お客様からも時々言われますが、
世間的にもまだまだ「産後は骨盤が開く」という
認識が強くみられます。

完全に間違いでもないのですが、
そう単純に捉えてしまうと正しいケアから
遠のいてしまう事があります。

産後、「骨盤が開いている」は間違い?

このブログでは度々お伝えしていますが、
骨盤が開くのは出産時だけです。

今日は、「骨盤が開く」という言葉の誤解と、
そう捉える事の危険性についてお伝えしていきます。

「産後に骨盤が開く」という言葉の誤解

実際、骨盤は開きます。
ただ、前述のとおり出産の時だけです。

妊娠~出産~産後数か月の期間は確かに
「開きやすい」状態ではあります。
(出産時とは比べ物になりませんが)

関節をつなぐ靭帯が緩むからです。
ただそれは、「開いている」状態ではありません。
靭帯も時間と共に戻っていきます。

「骨盤が開く」という言葉が生まれた背景

ハッキリとはわかりませんが、
イメージがしやすかったのでしょうね。

骨盤矯正、骨盤調整などという言葉が
ダイエットの手法として流行りだした2000年代頃から

テレビなどでも「骨盤の歪みが体に与える影響」として
イメージ動画などが見られるようになりました。

「骨盤が開く」という言葉が生まれた背景

産後太りやすいイメージと
「骨盤が開いたまま」というビジュアルが
リンクしやすかったのではと思います。

「開く」という認識だと何がいけないのか?

出産時のように開くことはないにしても、
(そんなことあったら大変です)

整体的な表現として「開いている」という
言葉にされることもあります。

ただそれは数ミリレベルの位置の違いや
動きの癖の話であったりするので、

単純に「開いている」わけではないのです。

「開いている」と認識していると危険なのは、

良かれと思って骨盤やウエスト周りを
ギュウギュウと締め付けてしまったり
脚を間違った動きで閉じようとしてしまったり、

逆効果の行動をしてしまうことがあるからです。

産後の身体は、確かに大まかな傾向はあれど、
人によってその歪み、癖は様々です。

開いている状態も含めて、
複合的に、個性的に表れてきます。

「産後の骨盤が歪んでいる」は本当?

「産後の骨盤が歪んでいる」は本当?

では「産後の骨盤が歪んでいる」が正しいのがというと、

「開いている」よりは語弊がなくて良いかなと思います。

ただ、これも個人的にはあまり好きではない表現です。
(それ以外うまく表現できずに使いますが)

歪んでいることが必ずしも悪いわけではないのですが、
歪み=正さなきゃいけないものというイメージが強すぎるからです。

まあ、骨盤「矯正」って言っておいてなんなんですが(^-^;

その話は最後にするとして、
ひとまず産後の骨盤は歪んでいることが多い
という認識で話を進めましょう。

産後の骨盤が歪む原因

産後に骨盤が歪む原因は、出産だけではありません。
むしろ出産のみを原因とした歪みは割とすぐ戻るので、
あまり気にしていません。

それよりも大きな原因となるのが、
妊娠期・産後の生活の負担です。

妊娠中、偏ったバランスで歩きますよね。
初期からホルモンの影響で筋肉に負担がかかりますし、
後期には骨盤に10キロ近い重みがのしかかります。

産後の生活はどうですか?
授乳、おむつ替え、抱っこ、と
前かがみの姿勢をとる機会が増えますよね。

骨盤ケアは必要?

骨盤ケアは必要?

上述したとおり、産前産後にかけて長い期間
普段とは違った負担にさらされてきた骨盤には
適切なケアをしてあげることが望ましいです。

もちろん、産褥期に横になって
過ごすことも適切なケアのひとつです。

過去記事:漫画でわかる「産後に横になるべき理由」

産後におすすめの骨盤ケア

もちろん、個人的には産後の骨盤矯正を
受けていただくことをおススメしますが、

それ自体も合う合わないありますし、
選択肢はあった方がいいですよね。

お勧めの運動など

・骨盤体操
・ヨガ
・ピラティス
・ストレッチ

ゆったり行う運動がが苦手な方には少し物足りないかもしれませんが、
後々激しい運動をするためには土台をつくっておくことも大切です。

あまりお勧めしない運動

・筋トレ(特に腹筋運動)
・ジャンプを伴う運動
・ジョギング、マラソン

骨盤底筋がしっかり回復するまではこういった
身体に縦に重力がかかる運動は控えた方が無難です。

骨盤は歪んでてもいい(持論)

最後は私自身の考えです。

骨盤矯正が流行ってきて、
「歪みは正した方が良い」という考え方が
前提にあるように感じられますが、

確かにそれはそうなのですが、

どうしたって日常生活って
二足歩行の人間には負担は付きものだし、
歪んでしまうものだと思うんですよね。

個人の癖というか、個性とも言えます。

不調が出てしまうものに関しては改善していくのが
ベストだとは思いますし、

将来の不調を予防する観点からも
全く気にしなくていいとも思いません。

ただ、

歪んでも元に戻せるしなやかさ

があれば十分、というか一番大切なのではと考えています。

本日もお読みいただきありがとうございました^^

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